新型ウィルスの影響で関東圏にいる私も外出を控える事となった。各地で行われる講演会もロケ取材なども全ての動きをやめた。
昨日ふと考えた。私が「動きをやめた」と偉そうに言っても実はなんてことはない。自分の動きなんて実に小さくて世の中には全く影響しない。すべてを中止する必要があると聞き、やれ映画の完成公開が延びてしまうなと肩を落としたが、それはそれであってそれ以外は何も影響はない。命に影響しない。完成が延びる事を耐えればいいだけの事だった。もちろん映画を心待ちにしてくださっている皆さんにもそれは共用していただく事になる。しかしこの度のこれは地球上のすべての人がそうである。誰もが待ってくださると信じている。
我々の事で言えばこの10年は何年もかかって作品作りをしているので、普段から瀕死状態である為、生活が苦しいのは特にこの春だけの話ではない事に気づいた。いいのか悪いのか…まあ、そういう事である。私たちにも病気もあれば税金もある。苦しい事だらけだ。さて映画は商業か芸術か。私たちは後者だと思っているのでタフでいる必要がある。どのような環境でもいても柔軟に創り発表する事が大切。そしてこれとは別に今後は商業目的の仕事を得る必要があるだけだ。
今は何よりも命。首都圏といくつかの地域では今日あたりに緊急事態宣言が出る模様。これは歴史的な日であろう。まずはウイルスの最前線である医師関係者や、人々の食を支えたり鉄道やバス・タクシーなどの交通の仕事、危険な仕事の第一線で仕事をされている皆様へ感謝を。そして、この危機に面した人々を美術や芸術の力が大きく包み込む事を願う。
チラリと中国やフランスの外気汚染が解消したとニュースで聞いた。人間の経済活動を数ヶ月やめただけで地球は回復するなんて。これを考えるだけで裏庭で咲いてる桜が全く違って見えてしまう。美しい事をイメージしよう。