スリップウェアとはイギリスの伝統的な陶器です。
素朴でほのぼのとした姿はあたたかく近くにあるとホッとするような不思議な陶器だと思います。
日本にもファンが多いようですし、専門に作陶される方がいらっしゃるほど魅力ある焼き物です。
クライヴ・ボウエンは地元の赤土を使用し英国の伝統的なスリップウェアをつくる英国の陶芸家。
1964-1968年の4年間、バーナードリーチの次男マイケルリーチに師事。
その後マイケルカーデューのアシスタントを経て、
1971年イングランド西部ボン州にて開窯という方です。
「あめつちの日々」では、このスリップウェアのクライヴ・ボウエンが登場します。
京都・しかまファインアーツの四釜さんが北窯にクライヴさん夫婦を案内し、
北窯・松田米司工房にて数日間作陶しました。そこでは米司親方との共陶も実現されました。
そこに居合わせた「あめつちの日々」カメラが撮らせていただいたというわけです。
当日は沖縄の新聞社も取材にきていました。
このシーンは英国と日本の両国にて伝統的な陶器をつくられる人間たちの合同の時間です。
面白いと思ったのは、スリップウェアと沖縄陶器のいっちん陶器との仲がよく思える事です。
なので四釜さんはクライヴを沖縄へお連れしたのだと思いますが。
この時間は、お互いを尊重し、技術を認め合い、笑いの多い豊なセッションでした。
たとえ国が西と東に遠く離れていたとしても、文化を通じてこんなにも会話ができる。
私たちは体感しました。何気ないそれがなんと豊なことでしょう。
その後、米司親方はクライヴが残していった作品を窯に入れられました。
いまでは完成されています。
(写真はクライヴのコーヒーソーサーと米司工房の皿です。作業部屋にて使用中。)