2022年小正月「神々の宿る樹」

 時代や世情の影響でなにやら自分のまわりの動きが早く、年末からの慌ただしさを引きずっていたが今日はすでに小正月。色んな兆しを含んで、今年は毎日を有り難くも忙しく過ごしている。ART TRUE FILMは昨年末に制作していた短編映画「神々の宿る樹」の発表を終えて、本当ならばあとは主催者様が現れるのをのんびりと待つばかりなのだけど、今年は何故かそうはいかない。すでにこの短編は何件ものお問い合わせを頂いている。

 

短編映画「神々の宿る樹」

2021年11月。神話の地・宮崎県高千穂へカメラは向かった。高千穂神社宮司・後藤俊彦氏は土地に生きている巨樹を愛してやまない表情だ。後藤宮司はこの地が持っている人と自然との関わりを紐解き、村の人々は神や自然に感謝を込めて神楽を舞う。そして大倉正之助氏の奏でる鼓が巨樹に打ち響き、物語を透明で高い世界へ連れて行ってくれる。本来ならば短編という時間ではまだまだ伝えきれない深い世界。これはどれほど力強いものなのか。民俗的文化生活がかつてより深く伝承されている地・高千穂。是非一度はこの地に行って自らの目で高千穂神楽を体感して欲しいと思う。きっと「得る」と思う。

 

 今回はご縁をいただいてロケを決行し無事に完成する事ができた。考えてみてほしい。この時代に自社製作での新作発表だなんてART TRUE FILMは幸運にも程があるね。本作の関係者の皆様への感謝以外考えられない。コロナがまだくすぶっている以上、私たちのような仕事でロケを組む事は難しい。新作なんて到底出来っこない。特に私たちがカメラを持参する土地は、国内でもなかなか奥まったところが多く、感染症情報には実にナイーブだ。

 

 この数年、個人的には背伸びしすぎた作品にタッチしすぎたかなあと考えていた。実際につま先をツンツンとたてて息切れしながら背伸びをしてたら、普通に背筋が伸びて姿勢がよくなり、それが常になってきたような気もする。どういう事だろう。しかしながら身の程知らずに何でも気軽に手が届くものだと勘違いをしないよう気をつけないと。だって下手したら高くて届かない冷蔵庫の上にある美味しい飲み物にまで手を伸ばしそうな勢いだ。注意しないといけないなあ。

本年もどうぞ宜しくお願いします。

  短編映画「神々の宿る樹」(20分)上映のお問い合わせはART TRUE FILM info まで。

「長崎の郵便配達」の公開報告は追って報告します。