「Parade」いつだったか何かを読んで知っていた。ずっと不思議だった。
ParedeとはJan Cocteau、Eric Satie、Pablo Picasso、などが参加した1917年発表のオペラ。Picassoは舞台美術と衣装を担当。当時この演目は大不評だったというのだ。こんなメンバーで不評?とずっと謎だった。それが今年の冬、Picasso美術館にてようやくみる事ができた。
長年の謎が解明したとまではいかないけれども、偶然に訪れたこの美術館では映像を繰り返し流していた。1917年のそれを映像記録していたそうだ。その修復ができたとの事。ようやく実際に観ることができると知って心が踊る。
館内の地下で自由にふらりと上映されていた。まあ、なんというか笑ってしまう。美術館にはかなりの人がいるのにここには誰もいない。一人でゆっくりたんまりと観る事ができた。
長年気になっていたParedeはある意味衝撃だった。言葉は理解できないのだけども、目にみえる舞台美術と衣装小道具がとても個性的。顔が緩んでしまう。大物作家たちですら失敗するんだな。なんと勇気付けられる事か。いったいどうしたのだろう、ケンカしまくったのかな。思いがよぎる。詳しい研究者の方がいるなら伺ってみたい。
映画計画でパリ入りしてた私は映画を撮る可能性を探してある程度緊張していたのだけど、ここで理解したことは人々は不評作品には冷たいなあ、という事と、巨匠でも失敗するという事。
ありがとう先代。
失敗を恐れて何もつくらないより、何かを生み出して批判される方がいい。