「長崎の郵便配達」 現状報告

映画「長崎の郵便配達」現状報告

2019年11月

 

 東京で谷口稜曄さんと初めて面会してからも、フランスにいるイザベル・タウンゼント氏を訪ねてからも、時が経ちました。これまで色々な事がありました。映画をつくろうと決心してからも、色々な人たちと出会い、色んな出来事を経てきました。2018年夏の長崎ロケからも1年が過ぎておりますが、私自身ではまだつい最近のような気がしています。本作は長期制作になっています。

 この時間を使ってこの映画はどういったものかを考えました。どれだけ資料を見たり読んだりしても、私は1945年の長崎を体験していないという事実です。それはどういう事か。私は想像する事しかできないという事です。近年の長崎を歩き回っても郵便配達の少年は走っておらず、当時の名残をみつけるのは難しい。

 長崎を訪れて空を見上げれば青く、海は美しく夕日に輝きます。現在を生きていると、毎日がとても忙しく、楽しく、過去の事実や起こった事実を想像する事が不慣れになっていませんか。映画では「想像」という人間の技術を活用して、時空を越えて実際にこの地で起こった事を考えてみようと思うのです。本作は新たな歴史的見解を深掘りする映画ではありません。ある国籍を越えた二人が残していった物語を、現在生きている人たちが追ってみた、そういう映画です。

 

 本作のひとつの目標は「2020年夏/長崎にて一般公開」ですが、まだ資金が不足していて完成に至っておらず、資金探しを続けて行っています。

しかし2019年も年末になってきました。焦る事はないのですが、より深くより永く、世間に愛される映画になれば嬉しい、そう思って作っています。

もうちょっとです。