先週あることがあって「あめつちの日々」を制作しはじめた時のことを思い出した。
「沖縄生まれで沖縄育ちの四人が共同で窯を作り、巨大なのぼり窯にて郷土の焼き物を作っている」と聞いた私は、うっすら物語の背景を感じて親方に会いに行った。そうして向かった沖縄本島。空港から58号線を北上していくと、両側が基地に面するエリアがあったり、基地ゲートの向こうには軍機の格納庫や謎の山が見えたりと、70年経ったとしても沖縄の現状はそういう感じか…と黙って車景を眺めるしかなかった。
歴史をさかのぼると、戦争を体験をした島人は生きてゆく為に想像を絶する経験をして、またある時は島が日本に復帰する事態を体験し、ようやく私たちが生きている現在にまで繋がる。戦後生まれであっても少しの想像力があれば、生まれた島の土を使い郷土の焼きものを作って生きると覚悟をした若者たちの気持ちが、少しは理解ができるものではないだろうか。
それに加えて島にはかつて「やちむん屋」を見下す風潮があったとも聞いた。仕事も何もできない人間に「やちむん屋にでもなれ」という具合だったそうだ。40年以上やちむん屋をやってる本人が笑ってそう教えてくれた。
当時の私たちは「あめつちの日々」を作ろうと決心した。問題は山積みだったけど制作に反対した者はいなかった。制作が始まって北窯の親方たちに助けてもらいつつ、ようやく何年後かに完成し、なんとか映画は公開された。それから5~6年が経った。
沖縄本島には時代を見越したレストランや、若者たちが展開するカフェやオリジナル商品を扱うショップが多く見られ、しかもセンスもほどほど良く、益々沖縄訪問が楽しみになった。彼らの心の奥底に、先人への尊敬とPeaceを持ち合わせた強さがあると信じたい。生意気ながらも私は彼らに島の未来と本来持ち合わせていた琉球文化の心を鍛えて、堂々と次世代へぶっ飛んで行って欲しいと願っている。
「あめつちの日々」沖縄上映会のご案内
会場 tou cafe 読谷村伊良皆578
参加費用 2000円(映画&1 ドリンク)
予約電話 0989-53-0925 (電話でのご予約お願いします)
開催日時
3月6日 10:00~/ 14:00
3月19日 19:00~
4月10日 10:00~/ 14:00
4月29日 19:00~
5月5日 19:00~
5月22日 10:00~/ 14:00
<主催者より連絡>
*開始10分前にお入りください
*コロナ対策のため少人数での上映になります
*マスク着用必須です