2019年5月。「長崎の郵便配達」の最終撮影。良い天候に恵まれたそれはフランスのある劇場からスタートした。最小限の機材とスタッフ。車両もなく徒歩。だけど心配はしていない。撮りたいものは絞られていた。
そこはフランスのある町が誇る歴史ある文化財的劇場。40名を越える現地の子供たちによってある芝居が演じられた。フランスの子供たちにとって少し難しいテーマである上に言語は英語で作られていた。学校の英語授業を兼ねていたのだ。素晴らしい試み。すべて関係する大人たちの粋な心得にて優しく包まれている。
そして、そのステージ上には赤い自転車が参加していた。日本の郵便配達用の自転車だ。あとは映画本篇を観て欲しい。スタージ脇に自転車を見つけた私たち撮影スタッフの感動は計り知れないものがあった。自転車は時を越えフランスにまでメッセージを伝えていた。
ドキュメンタリー映画を撮っていると何よりも実感するのは「学ぶ」事の多いこと。本作での素晴らしい体験もそのひとつである。私たちにとって異国でのキャストと映画を共に作ってゆく過程は勉強以外になにものでもない。お互いの国の歴史や現状に触れ、互いに尊重しあい、そしてゆっくり学んでいく。現代にそんな事ができる事の大切さや幸せを感じる。それを何としても多くの人々に伝えなければという気持ちが募ってゆく。
キャストのイザベル・タウンゼントが私に教えてくれた。「信じること」。
映画という域を越えた活動になってきたように感じている。国を越えたり世代を越えたりと活動があれよあれよと進む。キャストの的を得たあたたかい想いと行動力が映画と共に進んでゆく。この映画は、映画を包む背景ごと大きな物語を作っている。こうやってみんなに参加して欲しい。あとは残された人たちの仕事だから。
「長崎の郵便配達」は撮影を終えた。
みんなありがとう。
寄付で応援してくれている皆様、ありがとう。
引き続き、この映画が皆さんへ届けられるよう頑張ります。
あとは編集と録音だ。
映画制作寄付事務局への問い合わせ先
https://www.vidro.gr.jp/yubin-bokin/