2011年3月。私たちは紫の仕上げ作業をしていました。
計画停電の中、余震で揺れるスタジオでモニターを皆で押さえながらの仕上げでした。
東京に人の気配がないという夜をひとり歩いた恐怖の時間もありました。
数多く「紫」がくれた記憶のはじまりのひとつです。
あれから世の中はどうなったでしょう。
電気がないと仕事にならない自分たちの「もの作り」に自信がなくなった事もありました。
険しい時代のインディーズ映画の実力を思い知りました。
食べるものや寝る場所を必要とするパワーに答える事もできませんでした。
それでも映画や音楽が必要なんだと、慰めのような手紙をもらった事があります。
人の癒しや考えのために必要なのだと言ってもらったり、学生さんから分厚い感想手紙が届いた事、
「紫」を持ってから体験した3年間はいろいろなものでした。
自分たちは考えました。
もの作りを続けられる間は、とことん続けるという事です。
この春、いろいろな方々に手助けいただき「紫」ブルーレイ&DVDを販売する事になりました。
必要な方々のところへ届くといいなと思います。
「紫」 オンライン販売先はこちら ART TRUE FILM STORES JP